「大学時代こそ、母の期待に応えるため勉強で結果を出す」 

DREAMGATE

 高校入学時、病気で苦しむ母は野呂に語った。「海外の大学に行けるくらい勉強してほしい」。しかし、高校生の野呂は部活動に没頭し、母の願いなど忘れ去っていた。
 大学入学直前、病気で苦しむ家族と離れ、一人で上京することを実感した時、これまで母の願い1つ聞き入れてこなかった自分に愕然とした。「大学では、必ず勉強で成果を出し、親孝行する」。そんな思いを抱き、創価大学へ入学した。

「自分を必要としてくれている」

 入学後1ケ月は勉強に打ち込んだ。しかし、学生寮のイベントでリーダーを務めたことをきっかけに、創大祭実行委員会や運営役員等の活動に没頭するようになった。「自分を必要としてくれている人の期待に応えたい」。その想いで、残寮生にも挑戦した。「自分が縁することで人の可能性を広げ、相手が変わっていく姿を見ることが、嬉しかったんです」。目の前の一人のために全力をつくす友人と共に活動する中で、野呂にとっても、どこまでも人のために行動することが生きがいとなった。

「先輩との出会い」

 その一方で、入学当初の決意は心の隅に追いやられ、野呂は勉強から遠ざかっていた。勉強に励む友人を横目に「自分は、勉強よりも今の活動を通して成長できている」と勉強から逃げる自分を正当化した。しかし、時折母との「勉強で成果を出す」という約束が頭をよぎり、「本当にこのままでよいのか」と悶々とすることが増えていった。そこで、野呂は思い切って先輩に相談した。「自分の可能性を自分で閉ざしてはいけない。全部やると決めたなら、やらなきゃだめだ。僕は全部やりきった」。留学や就職活動に全力で挑み、自信に溢れた先輩の言葉に、勉強を避けている自分から目をそらせなくなった。こんな人になりたいという強い憧れを抱き、このままではだめだと、自分を変える決意をした。

「君のせいで負けるよ」

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 野呂の挑戦が始まった。無理にでも勉強に向かう環境に身を置くため、活発に活動するゼミに入った。 「とにかく結果にこだわれ」。教授の言葉に奮起し、ビジネスコンテスト優勝を目標に掲げ、チームメンバーと共にこれまでになく苦しみもがいた。
 しかし、これまで勉強から逃げてきた代償は大きかった。「君のせいで負けるよ」。教授の言葉に、野呂は茫然と立ちつくす。メンバーに声をかけられるも、申し訳なさと情けなさから、誰とも目を合わせられない。
 「これまで寮生活などを通して人間性を磨いてきました。しかし、人間性だけじゃ社会では勝てないと思い知ったんです。実力が必要でした」。周りのゼミ生と比較し、劣等感に押しつぶされそうになりながらも、「やっぱり親孝行したい。ここで結果を出さないと、一生逃げた人生で終わる」と、歯を食いしばり徹して勉強に励んだ。その結果、4つのビジネスコンテストに出場、成果を残した。すべては母との誓いがあったからだ。これまで劣等感を抱いてはそこから逃げていた野呂だったが、いつしか劣等感さえも糧とし、誰よりも勉強に徹する自分になっていた。

「病気で苦しむ家族が近くにいたからこそ、同じように苦しむ人を救いたい」

 そんな中、もともと病気がちだった母がさらに重い病を患った。留学を目指していたが、留学するか、就職活動を始めるか、迷いが生じた。思い悩む野呂の心にはっきり見えたのは、「親孝行したい」という強い思いであった。「早く自立して親を安心させたい」—悩み抜いた野呂は、就職活動に踏み切ることを決意した。
 就職活動を進める中で、病気で苦しむ自分の家族が思い出された。その苦しみを誰よりも近くで見てきたからこそ、「同じように苦しむ人を救いたい、その家族が親孝行できる時間を延ばしたい」との思いで、第一志望の医薬品メーカーへの就職を決めた。家族の病気に苦しんだ自分だからこそ、誰よりも思いを馳せ、病気で苦しむ人を救っていくことができる。野呂の決意にあふれた挑戦はここから始まる。

野呂裕貴の4年間

1.入学式

「親孝行したい」との想いを抱き上京。「勉強で成果を出す」と決意し、創価大学に入学しました。

2. 創大祭実行委員会

仲間と切磋琢磨しあい、「人の可能性を引き延ばす」ことにやりがいを感じました。

3. 滝山南寮残寮生

「目の前の一人のために尽くしぬく」との決意で務めました。たくさんの労苦も喜びも分かち合える同志ができました。私の大学生活の根幹は寮生活にあります。

4. 運営役員

陰で行事を支える人の大切さに気付きました。どんな些細なイベントでもすべて陰の人の労苦があって成り立つものだと知り、陰の労苦に気付ける自分になると決意しました。

5. アルバイト

病院でのアルバイトでは、患者さんとその家族の苦しみを目の当たりにしました。“人の命の大切さ”を改めて感じ、病気で苦しむ人を救いたいとの想いが強まりました。

6. ゼミ

経営戦略を学ぶゼミに入りました。どんな時でも支えてくれ、共に励ましあえる大切な仲間と出会えました。

7. ビジネスコンテスト

4つのビジネスコンテストに参加し、「結果にこだわり続ける」ことの大切さと難しさを学びました。

8. インターンシップ

他大生と触れ、自分の無力さを思い知らされました。このままでは社会で活躍できないと感じ、さらに努力し続けなければと奮起した機会でもありました。

9. 就職活動/内定

「人の生きる可能性を引き延ばしたい」「病気で苦しむ人を無くしたい」との想いで選考を受け、第一志望の医薬品メーカーから内定をいただきました。

10. CSS(キャリアサポートスタッフ)1

「目の前の一人を大切に」「無限の可能性を引き延ばす」との想いで1・2年生のキャリアサポートスタッフをしました。CSSの仲間は一生涯繋がり続ける同志です。

1CSS(キャリアサポートスタッフ)は進路が決まった4年生のグループで、主に1、2年生のキャリアサポートを行う。

11. 卒業

職場や患者様、一人ひとりの幸福責任者として、絶対にいなくてはならない人間になります。