ゼロからスタートした創大生活

 創価大学に入学することがすべてだった。将来の夢なんて考えもしない、空っぽの自分だった。そんな原が今心に描くのは、壮大なスケールで人々の生活を支える建設業界で活躍する自分だ。「入学時、何も描けなかった僕がここに来るまでには、いろんな人の支えがあって」。4年間を思い返す原の心には、支えてくれた人たちの顔が浮かぶ。

「やっぱり、大学になんかくるべきじゃなかった」

 中学時代の不登校を乗り越え、やっとの思いで地元の高校に進学した。大学に行くことなど考えもしなかった。そんな原に、創価大学の卒業生が切々と伝えた。「創価大学に4年間行ってみろ。そこで人間的に成長しておいで」。高校時代、特に頑張っていることもなかった。「自分の可能性を試せるのはここしかない。やれるとこまでやってみよう」。そんな強い思いと、これまで心配をかけ続けた両親の願いを叶えるために、必死の努力を経て入学した。しかし、創大入学を夢としていた原にとって、周囲の学生が語る夢は壮大すぎた。“世界平和”―当たり前のように飛び交うそんな言葉に委縮した。「周りと自分は違う。大学になんか来るべきじゃなかった」。無気力なまま、寮生活やアルバイト、部活動に追われながら、1年がたとうとしていた。

「進路の仮決めをしたらどう?」

 そんな中で出会った、キャリアデザイン基礎のCSSの先輩。進路の仮決めを勧められた。思い浮かんだのは公務員として働く父親の姿だった。「いずれは好きな地元に戻るのも悪くないかなっていう、軽い気持ちでしたね」。その後2年次から、公務員講座を受け始めた。そんな原を待ち受けていたのは、勉強漬けの日々。「数学なんて、中学2年の記憶で止まってましたからね」。積み重ねた知識もなく、ひたすら苦しかった。そんな中で参加した2年次夏の市役所でのインターンシップ。なんとなく、公務員として働くイメージがわいた。「すんなり腑に落ちたわけではないけど、やれないこともないかなって」。小中学校時代に野球部での鍛錬を経験していた原にとって、何かに向かって努力し続けることは楽しいことだった。そのモチベーションだけで、ひたすら机に向かった。

「なにか物足りない」

DREAMGATE

 努力はしていたが、これでいいのかという思いもあった。そんな2年次春休み、友達に誘われて、フィリピン海外研修に参加した。まだおぼつかない英語で必死に意思疎通を図る日々。都市部からスラム街まで、初めて見た途上国の現状。研修を終えた原は思った。「なにか物足りない。もっと長く海外経験を積みたい」。そんな強い思いから、カナダへの長期留学を志した。
 3年次後期から長期留学に行き、その後公務員試験合格を目指すのは、困難と言われていた。「それでも、自分の小さな世界観のままで大学生活終わっていいのかなって、思ったんですよね」。悩んだ末、今まで公務員になることを応援してくれていたゼミの先生に、思いの丈を打ち明けた。予想していた言葉とは裏腹に「行ってきなさい」の一言で、原の決意は固まった。

苦闘と発見の留学生活。そして、 輝く先輩との出会い。

 語学学校、ビジネスカレッジ、NPOインターンシップ。カナダ留学中は、自分の中にわいたやりたいこと全てに挑戦した。そこで直面した実力の無さ、悔しさにもがき続けながらも、ひたすら自分を追い込んだ。現地の人とも積極的に関わり、多様な文化の中で働くイメージがわいた。
 そんな時、偶然創大生の先輩に出会った。創価大学への恩返しがしたい、と熱く語るその先輩は、建設業界を目指していた。「世界で一つしかない、オンリーワンのものを作りたいんだ」。何もないところから、着実に工程を守りながら、大きなものを作っていく。入学時は委縮していた自分が、そのスケールの大きさに強く惹かれていた。思えば、ゼロから大きなものを組み立てていく工程が、中学時代に大きな挫折を味わいながらも、必死の努力で力をつけてきた自分の人生と重なる気がした。

直感した―「自分は建設業界に行く」

 帰国後も、これまで目指してきた公務員の道を簡単には捨てられなかった。しかし、建設業界で活躍する卒業生と関わるたびに、他にない魅力を感じた。「自分の社会での活躍が、母校への恩返しになる」「後に続く後輩のために」そう語る先輩たちのほとばしる情熱に、原は直感した。「空っぽだった自分を、明確な夢を描いて挑戦できる自分にしてくれた大学に、恩返しがしたい」。あふれだす母校愛を持って、原は大手建設会社への内定を決めた。これまで積みあげてきた努力と創価大学へのゆるぎない思いに胸を熱くする、原の目が輝く。

原航平の4年間

1. 入学

苦しい受験生活を乗り越え、やっとの思いで創価大学に入学しました。

2. クラブ活動(英語研究会)

初めは英語が好きで、友達も居るからという理由で入部しましたが、日々英語力向上のために勉強し抜き、スピーチコンテストの実行委員を務めるなど、クラブで得た経験、友人は一生涯のものになりました。

3. 公務員試験勉強

2年次から公務員講座を受講し、勉強を開始しました。結果的に公務員試験は受験しませんでしたが、長いときは一日10時間位勉強していたので、勉強に対する忍耐力、計画力等が身に付き、その後の英語や学部の勉強にも活きました。

4. インターンシップ

2年次夏休みに参加した八王子市役所でのインターンシップでは、他大学の学生と協力して市長の前でプレゼンをするなど、貴重な経験を得られました。

5. フィリピン研修

フィリピン大学での朝から晩までの英語の授業や初めての海外で慣れないことも多々あり大変でしたが、現地の学生と歌やダンスでの交流を通して、もっと様々な外国人と関わっていきたいと感じました。

6. バンクーバー私費留学

DREAMGATE

8ヶ月間語学学校での勉強、現地NPOでのボランティアに取り組みました。異文化の中で自分の考え、意見を発していくことを通して、何ごとにも動じない自分を形成できました。

7. 就職活動/就活合宿

就活開始直前の1月に就活合宿に参加しました。創大生としていかに就活を戦い抜くか学ぶことができ、無事第1志望の企業から内定を頂くことができました。

8. CSS(キャリアサポートスタッフ)1

今まで先輩方から受けてきた恩を返していこうとの気持ちでCSSとして後輩のサポートに取り組みました。

1CSS(キャリアサポートスタッフ)は進路が決まった4年生のグループで、主に1、2年生のキャリアサポートを行う。

9. 卒業

空っぽだった自分を、明確な夢を描いて挑戦できる自分にしてくれた創価大学への恩返しのため、生涯社会と創大の後輩に貢献し続けていきます。