「悩みながら、もがきながら、それでも必死にアクションを起こした」

 「今の夢は、日本・世界の人々が、子育てをしやすいと思える環境づくりをすることなんです」。大川は、自分の将来のビジョンを明確に、かみしめながら語った。しかし、最初から夢が決まっていたかというと、決してそうではなかった。むしろ、悩みながら、もがきながら、それでも行動し続けてきた経験が、大川をその夢へと導いていったのである。

「絶対に自分の夢を見つけよう」

 入学当初、大川は「これがしたい」というものになかなか出会うことができなかった。周りが堂々と夢を語る姿に、引け目を感じることさえあった。 「だからこそ、大学の主催するキャリアイベントには全て参加して、絶対に自分の夢を見つけよう」― 大川はそう意気込んでいた。

「クラブだけでなく、自分の夢を見つける活動も絶対に怠らない」

 そんな大川には、熱中しているものがあった。それは大学のクラブ団体―ヴォーカルグループの活動だ。「Sing for Happiness」の指針を掲げ、「目の前の1人の幸せのために歌を歌う団体」である。海外でも公演をするなど、大学一忙しいクラブと言われる中、毎日真剣に練習にのぞんでいた。責任者の立場も務め益々多忙になる中、大川にはひそかにいだく思いがあった。
 それは、「クラブだけでなく、自分の夢を見つける活動も絶対に怠らない」こと。自分が進路に対しても真剣に向き合う姿を通して、後輩たちの可能性を広げていきたい。大川は決意を胸に、クラブ活動の合間を縫って、海外研修やキャリアイベントなどに積極的に参加していった。これらの経験が、今後の大川の進路選択に大きく影響することとなる。

「親もいない。お金もない。食べるものもない。しかし、子供たちの目はしっかりと未来を見つめ、輝いていた」

 2年生の春休み、大学の研修プログラムでフィリピンの学校に訪れた。初めての海外ということもあり、期待に胸を膨らませていた。しかし、そこで目にした光景は、想像を絶するものだった。悪臭を放ちながら、無造作にものが積み上げられたゴミ山。そこには、一生懸命ゴミをかき分けながら、お金になるものを探す子供たちの姿があった。
 学校の中に入ると、子供たちが元気な歌声で大川たちを歓迎してくれた。聞く話によると、この学校の子供たちは皆、あのゴミ山で生活しているという。親もいない。お金もない。食べるものもない。しかし、子供たちの目はしっかりと未来を見つめ、輝いていた。大川は、子供の持つ無限の可能性を感じ、目頭が熱くなった。

第一志望業界の不採用が、真の「やりたいこと」へと近づけた

 2年生の時に参加したキャリアイベント、BTF(Bridge To the Future)。そこで出会ったホテル業界の先輩の、社会で生き生きと活躍する姿に感銘を受けた。“お客様を大切にする心”“日本の最高のおもてなし”―クラブ活動を通して、学んだことに共通するものを感じ、自分の力が活かせるのではと感じた。大川は、初めて自分のやりたいことを見つけたような気がした。 「私もこの企業で働きたい」 。熱海へのOB訪問や説明会を通し、ますます高まっていく思い。選考も順調に進み、ついに最終面接までたどり着いた。自分の全てを出し切り、手応えも悪くなかった。
 しかし、結果は不採用。あまりのショックに、涙が止まらなかった。 そんな時、キャリアセンター職員の一言が、大川を再び奮い立たせた。 「一回一回、落ちたことに一喜一憂していたら、就活なんてやっていられないよ。就活は、第一志望に落ちてからが勝負だよ」 ―「そうだ、負けてなんかいられない」。 大川は、もう一度自分と向き合いながら、本当にやりたいことは何かを真剣に考えた。ふと浮かんだのは、フィリピン研修で出会った子供たちの無邪気な笑顔だった。「そうだ、私がやりたいのはこれだ!」子供たちの生活を支える子育て支援。フィリピン研修での子供たちとの出会い、クラブ活動でのお客様を大切にする心、全ての経験が一つにつながった瞬間だった。「子供たちの生活を支えたい」― 大川は、ありのまま全てを語り、みごと、子育て支援の小売業界から内定を勝ち取った。
「夢が見つからないでも、後輩たちの道を拓きたい」。この強い思いで、クラブ活動と夢を見つける活動の両方に挑戦し続けた大川だからこそ、出せた結果だった。 「やっとスタートラインに立てました。勝負はここからです」。 大川の新たな挑戦が、今ここから始まる。

大川清美の4年間

1.入学

DREAMGATE

将来の夢は漠然としていたものの、新たに始まる学生生活に胸を躍らせ、創価大学に入学しました。

2.クラブ活動

DREAMGATE

以前から海外で働きたいとのこだわりが強かったものの、先輩との面談を通し、「本当に海外でやりたいことは何か」を考えるようになりました。 純粋に歌が好きで、ヴォーカルグループに入りました。副部長として、大好きな部活と部員のために日々挑戦を重ねました。振付担当として挑んだ東京ディズニーランドでの公演も成功させました。

3.フィリピン短期語学研修

DREAMGATE

ゴミ山で暮らす子どもたちと出会い、貧富・環境の差に関係なく、一人ひとりに無限の可能性があることに気づかされました。また、純粋に子どもが好きだと感じました。

4.小売業界でのアルバイト

身近な商品を通して付加価値を提供する小売業界の仕事に大きな魅力を感じました。

5.イベントスタッフでのアルバイト

イベントスタッフでのアルバイトを通し、仕事として子供と関わりたいと思うようになりました。とくに、子供の笑顔を見守れる仕事がしたいと思うようになりました。

6.BTF(ブリッジ・トゥー・ザ・フューチャー)1

社会で活躍しているヴォーカルグループの先輩の姿を見て、感銘を受けました。自分も、後輩のために進路で道を開きたいと固く決意しました

1BTF(Bridge to the future)は、本学の2年生を対象としたキャリアイベント。各業界で活躍しているOBOGが、就業体験ゲームを行う。

7.インターンシップ(自己開拓型)

多業界でのインターンシップ経験を通して、早いうちから自身の夢と向き合うと共に、視野を広げることができました。

8.合同ゼミ発表会

労働社会学を専攻し、3年生の秋に開催される社会学メジャーでの合同ゼミ研究発表会では、「グローバル人材」についてゼミ生と共に研究を行いました。

9. 内定

子育て支援の小売業界より内定をいただきました。

10.CSS(キャリアサポートスタッフ)2

「後輩のために」との信念のもと、日々のCSS活動に奔走しました。

2CSS(キャリアサポートスタッフ)は進路が決まった4年生のグループで、主に1、2年生のキャリアサポートを行う。

11.卒業

どこまでも目の前の一人を大切にする“ for happiness ”の精神を忘れず、社会でも体現していける本物の一人に成長していきます!