夢が見つからない そのことが大きな悩みだった

 「夢が見つからない。そのことが大きな悩みでした」。 川端は、2年生の頃をそう振り返った。 人はそれを意外に思うかもしれない。 「教育を通じて途上国支援をしたい」―自信を持って夢を語る今の彼女と、大きなギャップがあるからだ。 一体、何が彼女を変えたのだろうか?

やりたいことが見つからないし、そもそも働きたくない。

 「夢が見つからない」―。 2年生も終わりかけの頃、川端はため息をついた。 気がつけば、創大生活も半分が終わろうとしている。そろそろ進路を決めなければならなかった。 学外の学生団体の活動、ボランティア、塾講師のアルバイト。様々なことに挑戦し、充実した日々を送っていた。 けれども、やりたいことが見つからない。自分が社会人になるイメージが持てないし、そもそも働きたくない。 周囲の友人を見れば、希望の進路の実現に向かって一生懸命に努力をしていた。 それにひきかえ、私は…。 川端は強いコンプレックスに苛まれていた。

衝撃を受けたスラム街。

 そんな川端に転機が訪れる。 3年次の夏、ケニアに2週間の研修に行ったことだ。 「きっかけは、アフリカについての講義を受けて関心を持ったことでした」。 少しの興味から始まったケニア研修。そこで彼女は、想像をはるかに超えた現実と出会う。 研修中に訪れたとあるスラム街。 バスから降りた瞬間、腐臭が鼻をつく。ごみ収集システムが整っておらず、あちこちに廃棄物が山積しているためだ。治安も悪く、常に犯罪と隣り合わせの日々を送らざるをえない。しかし、そこに住む子どもたちの目が輝いていることが印象的だった。目を覆いたくなるようなスラム街の現状。それと対照的な子どもたちの笑顔。川端の頭には、次のような問いが浮かび、離れなくなっていた。 「このスラム街の問題を解決するためには何が必要なのか」。 彼女は、2週間の研修の間に会った様々な人と、この問いについて語り合った。 もちろんなかなか答えは出ない。それでも、大学の教員や学生、ケニアに住む日本人などと議論を重ね、思索を深めていった。 密度の濃い2週間を終えて、川端が見つけた一つの答え―それが“教育”だった。 「環境を変える力を持つのは人間、そしてその人間を育てるのが教育です。途上国で教育を行い、自分の国の問題を解決するような人を育てること。それが必要だと思いました」。

「立ちはだかる現実。 挫折の連続の半年間。 それでも、やっぱり“教育”で生きていこうと決めた」

 ケニアから帰国した川端は、デンマークへの留学を決意した。 理由はもちろん“教育”だった。教育先進国のデンマークで、最先端の教育学を学びたいと考えたのだ。 留学先のデンマーク南大学では、大学院生に混じって教育学を学んだ。 しかし、現実は厳しかったという。 「まずは語学の壁。なかなか英語が通じないんです。それに、授業で扱うトピックが難しくて、意見を求められても何も言えませんでした」。思うようにいかないことばかりだった。しかし、教育の持つ可能性だけでなく、その難しさを学ぶことができた。 「挫折の連続の半年間でした。それでも、やっぱり“教育”で生きていこう、そう決めました」。教育を通じて途上国を支援する―川端の夢は、確固たるものになった。

「アフリカにベネッセを持って行きたい」

 「アフリカにベネッセをもって行きたい」。 留学を終えた川端は、就職活動を始めた。 「教育を通じて途上国支援をしたい」―その夢を叶えるために、どのような進路を選択すべきか。 川端が選んだのは、ベネッセコーポレーションだった。 教育格差を無くすことを目指して設立されたその歴史。社内に根付いている「子どもへの尊敬」。ここで働きたい。心からそう思うことの出来る会社だった。 「アフリカにベネッセを持って行きたい」。面接で素直な思いを話した結果、内定をもらうことが出来たのである。 「途上国支援と教育。どちらもすごく難しい。まだまだ自分の力不足を感じることばかりです。けれども、必ず夢を実現してみせると決めています」。悩みと劣等感の果てに見つけた夢。いよいよ彼女は、その実現に向けて大きな一歩を踏み出した。

川端公子の4年間

1. 入学式

初めて創立者とお会いする事が出来ました。何度も語学力の大切さについておっしゃられたことが心に残り、必ず英語をマスターしようと決意しました。

2. アルバイト(明光義塾)

DREAMGATE

1年次から塾講師のアルバイトを始めました。子どもに関わることの楽しさと難しさを知るとともに、講師仲間の他大学生のアクティブさに触発され、ボランティアやインターンなどほかの活動への一歩を踏み出すきっかけとなりました。

3. インターンシップ(ブライダル)

就職先として憧れていたブライダル会社でインターンをしました。しかし現実の仕事は憧れていたものとは異なり、現実と理想とのギャップに衝撃を受けました。働く前に現場を経験したことで、自分の将来や進路について考え直すことができました。

4. 経営学部の授業を履修

興味があった「ベンチャー企業論」や「企業と経営」など経営学部の授業を履修しました。株式会社の仕組みや経営の考え方について基本的な事を学び、就職について意識し始め、社会に出る前の学生のうちにどのようなことに取り組むか考える契機になりました。

5. ゼミ

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文化人類学のゼミに入り、観光文化などを学びました。アットホームなゼミで居心地がよかったです。それまで他大学生との交流の方が多かった私にとって、創大生との関わり合いは新鮮で、初めて大学内で居場所が出来ました。

6. ビジネスコンテスト

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ゼミの有志8名で、文科省後援「観光まちづくりコンテスト」へ出場しました。毎日朝から晩までミーティングや現地調査を行い、高倍率の予選を通過しました。ナイロビ大学研修中も活動の合間を縫って、本選に向けスカイプでミーティングをしました。当日は優勝を逃してしまいましたが、その悔しさから、合同ゼミ発表会へ向けて今まで以上に真剣に取り組みました。

7. 合同ゼミ発表会

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3年生の秋に開催される社会学専修(現・社会学メジャー)での合同ゼミ研究発表会では、「東日本大震災の表象」をテーマに現地調査や海外のメディア調査を行い、多角的な視点が評価され優勝することが出来ました。

8. 交換留学(デンマーク南大学)

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教育を学びアフリカに還元しようと、教育先進国であるデンマーク南大学へ交換留学をしました。教師を志す学生向けの教育プログラムに参加し、国際教育比較や、学童保育での教育実習などを行いました。

9. 旅行

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EU間の移動費用が安かったため、毎週のようにヨーロッパ中を旅行しました。ヨーロッパの歴史やゼミの専攻テーマである観光に触れました。ホテルに従業員が誰もいないなどのハプニング続きでしたが、度胸がつきました。

10. 就活合宿

キャリアセンター主催の就活合宿に参加。社会の第一線で活躍する卒業生の「母校のため」という思いに触れました。私に真剣に向き合ってくれた卒業生の存在は、就活中の大きな支えとなりました。

11. 内定

株式会社ベネッセコーポレーションより内定をいただきました。

12. 卒業

創価大学で学ばせて頂いたことの感謝を胸に、「創価大学の卒業生」として社会で活躍できる人材になります!